庵治石の特徴
庵治石の特徴はきめ細かな地肌です。花崗岩の主成分は、石英・長石・雲母ですが、庵治石はこれら一つ一つの結晶が小さく、細粒花崗岩という種類に入ります。
細目(こまめ)は小さな黒雲母の数が多く、磨けば青黒い細かな紺がすりのようになります。
その上、最大の特徴である「斑(ふ)が浮く」という現象があります。
これは指先で押さえて、湿り気・潤いを与えたような、まだらな模様のあることで、石の前面が二重のかすり模様を見せています。
長石、石英には種々の色があるため、庵治石ではそれが薄い青色になり、少量の白雲母が混ざっているので、銀粉を吹いたように輝きを見せるものもあります。

また、石英・長石・雲母などの結晶の結合が緻密なために、他の花崗岩と比較して硬いことも特徴の一つです。
石英・水晶と同じで硬度は7度、ノミが立ちにくいので加工には苦労しますが、その反面、細かな小さい部分にわたる彫刻も可能です。
緻密であるから水を通すことも少なく、花立に溜まった水はしみ出しにくいということになります。

また、変色することも少ないです。青黒く、紋様が細かく、磨けば艶がよく出るので、文字を刻んでも見やすく、よく映ります。
他の花崗岩より風化にも強い為、墓石として大変珍重されています。
 
庵治石の種類
庵治石は次のような種類に分けられます。
◆細目(こまめ)……超特・特・並
◆中細目(ちゅうこまめ)……特・並
◆中目(ちゅうめ)……特・並
◆さび石……庭石・玉石・皮石
 
庵治石の魅力
数ある中の【庵治石の魅力】として第1に挙げられるのが、地球上の花崗岩で唯一最大の特徴である斑(ふ)が浮かび上がる事です。斑とは、まだら又は斑点(はんてん)という意味があります。
地学上によるとその秘密は黒雲母の集合体と言われています。しかし、その神秘的な集合体がなぜ庵治石の一部だけに発生したかは、庵治石の採掘が始まって約1,000年経つ現在も謎のまま解明されていません。
地元に残る言い伝えとして「源平合戦で有名な屋島の桜が花吹雪となり、庵治石を包んで斑に姿を変え今なお美しく花と咲いている」と伝わっています。
第2に、地学辞書によると庵治石は、花崗岩の中で最も新期の花崗岩であると記されています。
ここに庵治石の美しさの秘密が隠されています。庵治石は大陸上の花崗岩内では一番新しく生まれた新生児なのです。それは他の花崗岩よりも風化速度が遅い事を意味し、その新鮮な瑞々(みずみず)しい美しさが長い間保たれるのです。